ブロックチェーンを巡る動向について

ここ半年くらいで一気に注目が集まっている技術ワードがブロックチェーンです。BitCoinで使われている技術として知っている人も多いかと思いますが、ブロックチェーンを限られたネットワーク内で利用する方法が取り上げられています。

ここ最近の動きやブロックチェーン実装についてまとめてみました。

オープンソースによるブロックチェーン実装

オープンソースでブロックチェーンを体感する最も早い方法はBitCoinを使うことでしょう。現在、それ以外でも実装がはじまっています。Linux Foundation Unites Industry Leaders to Advance Blockchain TechnologyとしてIBM、アクセンチュア、シスコなどを集めて実装を開始しています。このプロジェクトはLinux Foundationの監督下にあります。また、R3コンソーシアムもオープンソースのブロックチェーン実装を開発しはじめています。

SaaSとしてのブロックチェーン実装

オープンソースの場合、自社でクラウド環境を組み上げる必要がありますが、SaaSの場合はそういった手間は不要です。

Chain | Enterprise Blockchain Platform

NasdaqがChain社と提携し、未公開株式市場でブロックチェーン技術を使うと発表しています(via 金融インフラをブロックチェーンで代替してコストを10分の1に、日本から「mijin」が登場 | TechCrunch Japan)。

mijin

国内のブロックチェーン実装で、さくらのクラウドと組んで実証実験環境を提供するとのことです。mijin自体オープンソース・ソフトウェアとなっています。

クラウドではマイクロソフトのAzureでもブロックチェーンサービスが開始しています。Ethereum Blockchain as a Serviceというサービスになります。

イスラエルの企業、Coluもクラウドでブロックチェーンベースのサービスを提供しています。

Blockchain Technology and Colored Coins - digital assets - Colu

Coluではbitcoinの情報に加えてメタデータを追加できるとのことで、通貨だけでなく鍵やチケットと言った付加情報を含めたトランザクションができるようになります(via Bitcoinのブロックチェーンに便利なメタデータ層をつけて多様なアプリケーションを可能にするColu | TechCrunch Japan)。これによりブロックチェーンの可能性が大きく飛躍することでしょう。

企業の動き

企業としてブロックチェーンを商品化する動きもあります。前述のIBM、マイクロソフト、さくらインターネットなどに加えてサムスンも開発を開始しています(via サムスンがブロックチェイン技術を研究、5年以内に製品化目処 | BTCN|ビットコインニュース)。国内ではOrb社がブロックチェーン技術を研究、開発しています。すでにSmartCoinという仮想通貨発行サービスを提供しています。

誰でも簡単に仮想通貨がつくれる、OrbのSmartCoin


ブロックチェーン技術はFinTechと絡みつつも、Coluでのメタ情報付与など多くの可能性を持った技術となっています。クラウドとの親和性も高く、APIを通じて自動的にスケールしたり、データのトランザクションを管理するのに使える可能性があるでしょう。

オープンソースによる実装はまだしばらくかかるかも知れませんので、クラウドベースでいち早く体験してみてはいかがでしょうか。

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