API関連ビジネスについて

APIの作り出すエコシステムは単にAPIを使う側、提供する側に限られていると思っていませんか。実際には周辺サービスが拡充していきます。今回はそんな周辺サービスの例を紹介します。そこから自社の新しいビジネスが思いつくかも知れません。

API解析

すでにAPIを提供している場合、その利用動向を知ることでさらに強化すべき領域であったり、逆に提供を停止すべき機能が見えてきます。Webサイトであればアクセス解析に相当するものであり、APIの場合はプロキシを立てて解析する場合やパケットを分析するものがあります。

APIゲートウェイ

APIゲートウェイはごく簡単にAPIを提供開始できるようにするためのシステムです。認証機能を提供したり、CSVデータや既存Webサイトを使ってAPIが提供できるようになります。APIゲートウェイによって既存システムへのアクセスを限定することができるので、セキュリティ的にも安心できます。

システムによってはAPIへのアクセスを制御することによって課金できるようにしたり、解析機能を提供するものもあります。

自社データなどを使わない、AWS LambdaのようにコードをアップロードすることでAPIを作成できるサービスもあります。

API集約

APIはそれぞれエンドポイントが異なるのが難点です。そうした問題を解決してくれるのがAPI集約サービスです。APIゲートウェイと似ていますが、外部のAPIをラッピングして使うのがポイントです。

一般的にはキャッシュするような仕組みはなく、アクセス先を統一できるのが利点となります。APIを切り替えたり、買収などによってエンドポイントが変更されてしまった場合の対応が容易になるでしょう。

ステータス管理

APIへのアクセスを監視し、安全性を確認できるサービスです。こうしたステータス管理はAPIのサービスから隔絶されている必要がありますので外部サービスを使った方が効率的です。

単純に指定したURLへのアクセスを行うもの、認証やデータの追加などさらに細かな条件が指定できるものなどがあります。エラーがあった際の通知先もメールであったりチャットサービスへの送信など多彩です。

テスト

APIは一般的にHTTP/HTTPSを使いますので外部からの負荷テストに向いています。ステータス管理と同じですが、本番環境に対して行う以外にも開発環境への負荷テストという需要があります。

さらにJSON Schemaを使った自動テストであったり、CIツールと連携した受け入れテストの自動化にも使われます。APIの場合、外部サービスを使ったブラックボックステストの方が向いているでしょう。

ドキュメント管理

APIは開発者向けのサービスであり、多くの場合画面がありません。そのため必要になるのがAPIドキュメントです。専用サービスではJSON SchemaをHTML化したり、SwaggerのようにWeb上でテスト実行できるものもあります。

開発ドキュメントを自社でホスティングしても良いのですが、Webサーバの用意やメンテナンスが面倒である場合はGitHubページを使ったり、Amazon S3のWebホスティング機能を使うケースも数多くあります。

Q&Aコミュニティ

いくら正確なドキュメントを用意したとしても開発者が何の問題もなく開発できるわけはありません。必ず質問が出てくるでしょう。そうした時に使えるのがQ&Aコミュニティです。自社で構築する場合は問題ありませんが、外部サービスを使う際にはコードが綺麗に貼り付けられて、開発者が数多く集まっているサービスを選びましょう。


いかがでしょうか。APIを巡るエコシステムには多くの分野があります。自社でAPI公開するデータがなかったとしても、技術力を武器に参入することはできるでしょう。APIをビジネスで利用するのが当たり前になっている現在、ぜひ新しいビジネスを発見してください。

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