ここ数年で聞かれるようになってきたのがAPIエコノミーという言葉です。一言で言えばAPIを使ったビジネス化ということになるのですが、実態としてはどうなっているのでしょうか。
APIマネジメント系サービスの台頭
最も分かりやすいのはAPIマネジメントと呼ばれるサービスが続々登場していることです。主だったプレイヤーとしても、
- Apigee
- AWS
- IBM
などがあります。企業におけるAPI作成、公開の流れを作りつつ、APIを使って収益化を促せるようになります。自社技術や自社コンテンツを持ち、それらをAPIで公開することによって収益化を図る上で大事な存在です。
企業提携の基礎に
従来、企業連携を行う際にはまず契約ベースの話が固まった後、双方の技術者が仕様を詰めていくのが一般的でした。しかし、これでは3つの問題があります。
- 企業パワーの違いによって実装工数が偏る
- 時間がかかる
- 2社間で最適化されており、別な提携時には同じ手順を繰り返す
APIを前提としている場合、どちらも複数企業との連携を前提として考えますので、機能は汎用的なものになります。あらかじめAPIが開発されている場合は、従来の手順に比べて大幅に工数を短縮できるでしょう。
技術を他社から借りる
API(Web API)という単語が聞かれるようになってすでに10年以上が経過し、世の中には数多くのAPIが存在します。企業にとって、一からサービスを構築するまでもなく、すでに存在するAPIを使ってサービスを作り上げる方が遙かに効率的で、素早くローンチができる時代になっています。
API提供事業者では既存ビジネスとの兼ね合いで提供できないサービスというのが存在します(他社との比較サービスなど)。そういった隙間を狙って新しいサービスを提供するのも良いでしょう。また、自社の既存サービスに新しい付加価値を追加する際にもAPIを使うことで素早く、確実に行うことができるようになります。
汎用的なテクノロジーAPIの出現
これまでAPIは主にコンテンツを持った企業がそれを公開する手段として使われることが多くなっていました。しかし最近ではクラウドサーバの操作であったり、計算処理のクラウド化、言語処理、機械学習、A.IなどテクノロジーAPIが登場してきています。これらはそのままでは一般ユーザには利用が難しく、使いやすい機能であったり、ユーザ企業が持っているデータと合わせてはじめて付加価値を生み出せるものとなっています。
こうしたAPIを使いこなし、新しいビジネスを生み出すことがAPIエコノミーの醍醐味と言えるでしょう。
APIエコノミーへの関わり方は様々です。この大きな流れの中で自社がどういう立ち位置であるべきか企画してみてはいかがでしょうか。