すぐに試せる!機械学習エンジンAPIサービスまとめ

クラウド化の進歩によってビッグデータが扱えるようになり、更に脚光を浴びている機械学習。実は事の発端は意外に古く、1950年代には研究が始まっていたとされています。今回は、機械学習のAPIについてまとめてみました。

Prediction API

Googleの機械学習サービス Prediction API です。トレーニングデータの学習など、RESTful APIをサポートしており、Cloud Platform の各サービスとシームレスに連携が可能です。

それはGoogleスプレッドシートにも及び、直接スプレッドシート内でPrediction APIが利用できます。これは、他にはないアドバンテージではないでしょうか。具体的にはSmartAutoFillというプラグインをAdd-onするのですが、 使ってみたところ、セルを選択するだけという手軽さで予測値が取得できます。

Smart Autofill Spreadsheets Add On

ドキュメント類は殆どが英語となっていますが、非常に見やすい内容となっております。まだオープンソース化して間もないですが(2015年11月にオープンソース化)情報などはこれからどんどん増えていくことでしょう。

料金体系などは、無償と有償の2つとなっていて、無償枠では確認で試すのに十分な数値となっているようです。詳しくは、以下の料金体系を参照して下さい。

SLAについては 有償サービスで99.9% の稼働率となっています。詳しい料金体系はこちらです。

Microsoft Azure Machine Learning

MicrosoftのAzureサービスにおける、機械学習サービスです。主に、Machine Learning Studioのグラフィカルインターフェースが素晴らしいのですが、GUIでの操作の他にもAPIでの操作も可能となっています。

無料枠での利用では、ステージングでの運用のみ可能となっており、実稼働環境に移行した際にエンドポイントを取得するには、スタンダードプラン(後述)以上が必要のようです。

ドキュメントはほぼ日本語での資料がそろっており、チュートリアルもグラフィカルインターフェースの管理画面が解りやすく説明されています。書籍も販売されており、学習コストは低いと考えてよいでしょう。

料金体系はAzureとは別となっており、Freeプラン、スタンダードプランの2種類となります。スタンダードプランでは、完全な従量課金制で1000〜2000円程から利用できます。詳細な価格については価格の詳細ページを見てください。

SLAにおいては「マイクロソフトは、Request Response Service (RRS) に関して API トランザクションの 99.95% の可用性を保証します。」とあります。

Amazon Machine Learning| AWS

AWSでの分析系サービスの一つ、Amazon Machine Learningです。

ドキュメント類は英語ですが、非常に内容が充実しています。ちょっと解りにくいのが、どこにサービス自体があるのかが、サービスが多くわかりにくいかも知れません。

コンソールにログイン後、分析のエリアにありますので探してみて下さい。また、リージョンは執筆時点ではアメリカ東部とEU(アイルランド)のみとなっています。

具体的な操作については、チュートリアルを一通り行えば、大体解るでしょう。

料金などAWSは非常に解りにくいのですが、データ分析およびモデル構築料金は他のサービスと比べ、0.42 USD/時と割合高めに設定されているようです。詳しくはデータ分析およびモデル構築料金を参照下さい。

12ヶ月のAWS無料利用枠で、AWSAmazon Machine Learning サービスは現在利用できないようです。注意文言をスルーしてしまいそうになりました。利用時には注意して下さい。

bigml

bigmlは、クラウドで機械学習の予測分析ができるAPIサービスです。画面はグラフィカルで使いやすく、小難しい機械学習という感じはしません。ログインすると、すぐに使い始めることができます。

サンプルデータもいくつか用意されていますので、一通りさわってみることで、大まかな感じは掴めると思います。

Webサービスでは、RESTFullによるAPIも用意されており、全ての制御が可能となっています。ドキュメントもしっかりしていますので、利用に迷うことはあまりないでしょう。ドキュメントはこちらです。

料金は、月額プランが30ドルからで、年間プランで一括請求であれば、年240ドル(月額換算で20ドル)からとなっています。ただし、利用サイズやデータ量にもよるので注意が必要です。

indico

ログインするとAPI Keyが発行されますので、それを利用してすぐにコーディングが始められます。Python、Ruby、Java、NodeJS、PHP、Rのサンプルもついていますので、 プログラミングに慣れていれば、すぐに理解できるでしょう。

以下のデモは、テキストのSentiment度合いのサンプルです。実際のコーディング例もついているので参考になると思います。

APIは、1万コール/月まで無料となっており、それ以降は、有料となりますが比較的低料金です。また、現時点では対応言語が英語となっていますが、手始めに取りかかるには、非常に簡単に始めることのできる機械学習サービスAPIだと思います。


機械学習というと、なにやら難しく構えてしまいそうです。しかし、実際に手を動かしてみると当初思ったほどではなく、回帰分析やベイジアンフィルターなど、そのようなことは深く考えなくてもあっさりと動いてしまうという印象を受けました(とはいえ知っていた方が間違いないです)。

企業における情報処理では、ビッグデータを活用して データのフィルタリング、商品レコメンドなどが当たり前のように導入されており、それが身近に感じられるようになってきています。殆どのサービスで無料枠があるので、ぜひこの機会にいじり倒してみてください。

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