プロダクトオーナから見たSlack分報の価値

こんにちは、普段はSkyWayの開発・運用をしている岩瀬(@iwashi86)です。

前回の記事では、マネージャから見た分報の価値について紹介しました。本記事では、前回記事で予告していたプロダクトオーナ1から見た分報の価値について紹介いたします。大きく以下の2つの価値について述べます。

  • 短期的な視点: タスクの大変さを類推可能に
  • 長期的な視点: スキル的に、メンタル的にも強いチームを作るために

短期的な視点: タスクの大変さを類推可能に

SkyWayの開発ではスクラムを採用しており、今後開発する機能などをプロダクトバックログで管理しています。プロダクトバックログの責任者はプロダクトオーナであり、特に優先順位に責務を負います。

プロダクトオーナは限られた開発リソースの中から、どれを優先していくか(どれが顧客価値の最大化につながるのか)を常に考える必要があります。その考える材料の1つとして、ある開発タスクをこなす場合の大変さ(どのぐらい難しいのか、どれぐらい時間がかかるのか)というものがあります。

開発タスクは、実装が主な部分を占めるため、その実装内容の大変さを最も理解しているのは、プロダクトオーナではなく開発チームのメンバになります。

仮に分報がなければ、必要に応じてプロダクトオーナが、開発チームのメンバに質問して大変さを知ることになります。しかし、分報があると状況が少し変わります。

開発チームの作業を分報(個人のchannel)に書かれているから読み取り、ある程度、想像を働かせることが出来るようになるのです。もちろん、未知の技術分野の実装タスクなどは想像が難しいのですが、ある程度、似ているタスクがすでに実施済みなのであれば、次のタスクの作業内容も想像ができます。また、見積もり時の想定よりも大きなタスクになっていないか、についても確認できます。こちらは遅延の早期発見につながります。

結果的に、プロダクトオーナからすると、将来の予想・プロダクトバックログの優先度付けの材料を、各自の分報から入手できるわけです。これがプロダクトオーナから見た価値です。

長期的な視点: スキル的にも、メンタル的にも強いチームを作るために

プロダクトオーナ2の役割として、長期的な視点として「スキル的にも、メンタル的にも強いチーム」を作ることも重要です。なぜならば、良いプロダクトは強いチームから生み出されるからです。

そのための情報源として分報を活用します。具体的には以下の点を確認します。

各メンバが疲労していないか

分報を導入すると、各メンバが取り組んでいる内容だけではなく、感情を含む独り言を書くようになります。タスクの進捗が悪い、また他の何らかの要因などで疲れが溜まってくると、愚痴がこぼれることもあります。そのような状態を早めに見つけた場合は、次スプリントでモチベーションの上がるストーリーや、タスクを含めるようにして、疲労回復を狙います。

各メンバの成長につながっているか

スクラムにおける開発チームは、機能横断的チームなチームを目指します。各人がプロダクトに必要なスキルを備える必要はありませんが、メンバの趣向などによって特定の分野に高い専門性が出てくると、全体として強いチームになっていきます。

そこで、分報における各メンバのアウトプットから、アサインされているタスクが大変であっても成長につながる楽しいタスクになっているか、を確認します。そして、プロダクトバックログを考えるにあたり、条件として考慮していきます。

まとめ

本記事ではプロダクトオーナら見た、リモートワークにおける分報の別のメリットについて紹介いたしました。


  1. SkyWayでは開発にスクラムを採用しており、本記事で述べるプロダクトオーナはとは、スクラムにおけるプロダクトオーナを指します。
  2. SkyWayのプロダクトオーナは、プロダクトマネージャも兼務しています。2つ目の視点は、ややプロダクトマネージャの視点に近いかもしれません。
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