NTTコミュニケーションズでの私のリスキリング体験

1.はじめに

このブログを読んで下さっている皆様、こんにちは。
プラットフォームサービス本部 クラウド&ネットワークサービス部 開発オペレーション部門の丹野(入社10年目)です。
この記事では、NTTコミュニケーションズに入社してから業務内容の変化に適応するため、必要なスキルを獲得してきた私の体験(リスキリング体験)と、最近自分で立ち上げて運営している社内での育成の取り組みについて紹介します。

2.私のスキル習得の体験(リスキリング体験)

最初に私の入社してからの業務経歴を簡単に紹介します。
①入社1~3年目は、プリセールスエンジニアという立場でグローバルネットワークサービスを販売する営業組織を支援。
②入社4~7年目は、Software Defined Networkingのサービスオーダーからお客様の利用開始までのプロセス構築と運用(以下、SOデリバリと呼ぶ)の立上げ。
 当時、Software Defined Networkingというサービスを世に出すためのプロジェクトが立ち上がった頃に、私は参画しました。
 サービス全体のプロジェクトの中でSOデリバリに関する部分を任され、プロジェクトリーダー的な仕事もこなしていました。
③入社8~10年目は、リリースしたサービスのSOデリバリプロセスの維持運用と改善や、部内サービスの課題発掘とその改善のためにUX/UIデザインやデータサイエンスのスキルを身に付けて業務で活かしています。

上記より、私の業務アサインメントの変化に伴い、業務で求められるスキルの軸が多岐に渡って変わってきているというイメージが湧いてくるのではないかと思います。
(①ネットワークや英語⇒②プロジェクトマネジメント⇒③UI/UXデザインやデータサイエンス)

このように、会社や業務で求められるスキルは多岐に渡ります。

特にUI/UXデザインやデータサイエンスについては、NTTコミュニケーションズでもここ2~3年の間で、これからのサービス開発や販売に必要なスキルとして力を入れている分野になります。

UI/UXデザイン分野での取り組み事例として上げられるのは、デザインスタジオ KOELNeWorkというサービスに対し、ユーザーリサーチ/コンセプトの仮説検証/プロトタイプ/ユーザーテスト等に対しデザインスキルを十二分に発揮して貢献している事例があります。
その他の活躍も幅広く、リンク先の事例を是非ご覧ください。

また、データサイエンス分野での取り組み事例として上げられるのは、全社でのデータ活用を促進することを目指すデータドリブンマネジメント推進部門(以下、DDM推進部門)です。
DDM推進部門では、全社のデータを集約して活用できるデータマートや分析基盤の構築と、データを分析して社内の課題解決に生かすコンサル業務とデータ分析できる人材の育成をしています。

本記事のポイントとして会社や上述のような組織や一緒に働く仲間からもしっかりサポートがあり、そのサポートを私も受けて今に至っています。
例えば、社内OJTという制度があり、自身が手を挙げるとDDM推進部門等の専門性の高い組織へ行き、仕事を通し専門スキルを身に着ける制度があります。
OJTとして、専門性の高い組織で新分野にどっぷり浸かり十分なスキルを身に着けた上で自部署の業務に戻り、身につけた力を発揮できます。
さらに、OJT等の社内制度とは関係なく、部署を超えて社員同士がデザインやデータ活用について自発的に取り組み、ノウハウの横展開やスキルアップが盛んに行われています。
(以前、本ブログで紹介した分析コンペもその1つです)

私自身も、様々な新しいチャレンジや業務を始めるにあたり、自分自身のスキル転換に悩むこともありました。
しかし、結論だけ言うと業務における幅も広がったので、スキル転換をして良かったと思います。
部内チームや社内OJTを通してスキル転換を図りつつ、色々な人と出会うことができ、身につけたスキルを今の仕事に活かすことができています。
そして、後述する新しいチャレンジに取り組みつつ得たスキルを業務で活かしながら、社外資格も取る事で社内外的に知識や業務経験があることを証明できたと実感しています!
例えば、
Python3エンジニア認定基礎試験
Python3エンジニア認定データ分析試験
人間中心設計スペシャリスト
です。
NTTコミュニケーションズでは認定された社外資格に対し資格取得の支援制度があります。
認定された資格に合格すると会社から受験料の支援があるのでチャレンジしやすい環境にあります。
さらに、会社から研修受講/団体登録/受験といった資格維持や更新のために必要な費用の負担等を支援してもらえます。

3.社内での育成の取り組み

私自身の体験も活かしつつ、自部の仲間たちのリスキリングにも貢献したいと思い、2021年10月から私の所属する部内でデータ分析人材の育成を開始しました。
このデータ分析人材の育成プログラムは習熟度により現時点でSTEP1/STEP2/STEP2.5と段階を分けています。
STEP1とSTEP2.5は、私を含めた社員による内製プログラムで研修を企画開催しています。
STEP2では、社内の事例共有会でデータ分析を役立てている事例発表会を開催し、幹部含めて実務でデータ分析を活用しているベストプラクティスを紹介して受講社員のインプットだけではなくアウトプットする機会を作り、スキルの定着や周りの社員達の仲間づくりを促進しています。

STEP1の内製研修は, CRISP-DMを基に、
・データ分析へ至るための設計方法
・データ分析で用いる統計基礎や手法の使い方と注意点
・データ分析結果の表現(バイアスや伝え方の注意点)
を実施し、第1~11回で、延べ431名の方に受講いただきました。
STEP1の狙いとして、データ分析の初心者向けにデータ分析プロジェクトの各フェーズでの考え方や統計基礎といった基礎力身に付けてもらうことです。
業務でプロジェクトをこなす、または参加する際にどう進めればよいか戸惑うことがなくなり、プロジェクトで出てくる統計値の見方や気にすべきポイントが分かることを目指したプログラムにしました。
社内研修なので多少内部バイアスがかかっているかもしれませんが、下図のCSポートフォリオ分析から、どの項目も満足度が5点満点中4以上となっています。
特に受講者の方からは内容について好評をいただきました。

この内製研修により受講頂いた方々も新しいスキルに挑戦でき、データ分析プロジェクトに対する戸惑いのハードルを乗り越えられると感じて頂けたのではないかと分析しています。
この内製研修を実施したことで部内でのデータ活用が更に広がる機会の1つになったと思います。

現在は、STEP1で基本的なデータリテラシ知識を習得した受講者の方も含め2022年10月からSTEP2.5として、Pythonによるデータ加工/前処理や機械学習を取り入れた「データ分析内製研修-シーズン2-」を企画開催しています。
「データ分析内製研修-シーズン2-」では、データ加工/前処理や機械学習の基本知識はもちろん、社内で業務効率化や判断の適正化に繋がる題材(例:アソシエーション分析/退会予測/線形回帰モデルによる予測 等)のハンズオンも取り入れて業務に応用しやすいプログラムを組んでいます。
さらに、実際の社内業務で使っているデータも取り扱っているため、業務への成果とスキルが直結する実感を得てもらえるように取り組んでいます。
今後も、育成の取り組み等を通じて各部と連携しながら、組織全体の学習の最大化へ貢献できる活動をしていきたいです。

4.最後に

このように、NTTコミュニケーションズでは、スキル習得に対する様々な取り組みや環境整備がなされています。
入社してから10年の間で、仕事で求められるスキルが変わり、国や社会でも求められている事も刻々と変化しています。
時代で求められるスキルや知識の変化に適応していくことも重要だと感じます。
これからも私自身コミュニティ等を通じリスキリングをしていきつつ、学んだことを業務で活かしたり、内製研修の企画開催やコミュニティ運営という形で学んだことを社内に還元していきます。
また、社内事例の紹介では、事例記事を書いて社内ポータルへの掲載やライトニングトーク会を開催し事例のシェアを行い、スキルの具体的な活用方法を広める活動も継続していきます。

最近、文部科学省が出している「情報Ⅱ」の教員研修用教材を読みました。私の高校時代には無かった科目です。
内容を確認してみると、私の大学時代に履修した内容を既に高校生の時点で取り組んでいました。
国や社会のITに対する期待が高く、今の若い世代は我々の世代と比べて新しいスキルを持って社会に出てくるのだと改めて実感し、10年後や20年後には、会社や社会で求められていくITスキルやIT知識のベースラインが変わってくるという事を肌で感じました。
今まで以上にリスキリングへ取り組み、これからも時代についていけるよう、もっと日々精進をしなければいけないと私自身、気合が入ります。
これからも会社の皆と一緒に研修やコミュニティなどを通じ、新しいスキルを身に付けて、それを役立てるように私自身も頑張っていきます。

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