新卒2年目でドコモグループのエンジニアイベント運営に飛び込んだ話

こんにちは。ソリューションサービス部 スマートエンジニアリング部門の加藤(@katomasa23)です。

新卒2年目で、普段はパブリッククラウド上に構築しているサービス提供基盤の運用自動化に携わっています。

今回私は、普段の業務を飛び出して、ドコモグループのエンジニアが日々の業務から得た学びなどを共有するイベント「dcc Engineer Day 23」1の運営に携わりました。

この記事では、イベントの様子や、自ら手を挙げてイベント運営に参加したことで得た学び・知見を紹介します。

dcc Engineer Day 23とは?

dcc Engineer Day 23は、NTTドコモ・NTTコミュニケーションズ・NTTコムウェア3社の社員が技術を軸に交流を深める場として開催したイベントです。今年は2023年1月24日に開催し、昨年に続き2回目となります。

今回のビジョンは 「こえてあつまる こえてつながる こえてうみだす」 です。ドコモグループとして「dcc間の壁」や「職種」を こえてあつまりつながり ができ、そして、新たな行動や企画が うみだされる ことを目指しています。

イベント当日の詳細は後ほど詳しく述べますが、反響を簡単に共有します。365名の方が事前登録し、イベント用に作成したSlackチャンネルへの参加は372名、ライブ配信の最大同時接続は210名でした。アンケートでは、「参加できなかった同僚に勧めたいか?(n=77)」という問いに対してNPS2 50.6と、事務局側としては高い評価をいただくことができたと思っています。

イベント後には、会社をこえて登壇者にcoffee chat3を申し込んでみたという声も聞こえてきており、ビジョン達成に少しでも近づけたのではないかと考えています。

当日のコンテンツ

外部からスピーカーを招いた基調講演を2セッション、社員セッションを8セッション実施しました。

基調講演の1セッション目はNTT東日本 特殊局員の登 大遊さんをお迎えし、「世界に普及可能な日本初のサイバー技術の生産手段の確立」をテーマに講演いただきました。これからの日本が自ら新しいクラウドサービスやセキュリティ技術などを生み出す必要性やその方法論について、ご自身の経験などを交えながら紹介いただきました。サーバーラックに神棚が置いてある様子や、配線ばかりで足の踏み場もない居室の写真などを見て、現場の面白さ、技術の奥深さなどを感じました。

基調講演の2セッション目は株式会社クレディセゾン CTOの小野 和俊さんをお迎えし、「CSDX: クレディセゾンのDXへの取り組み」をテーマに講演いただき、その後、NTT Com 技術顧問の及川 卓也さん、イベント事務局の岩瀬さんを交えたパネルディスカッションを行いました。講演では、クレディセゾンのDXへの取り組みの全体像や、デジタル人材の育成手法などについて紹介いただきました。私の印象に残ったのは、バイモーダル戦略の説明です。新卒2年目の私は、バイモーダル戦略は事業計画などマクロな視点での話だと思っていましたが、身近な業務やチーム作りでも参考にできる考え方だと、講演を聞いて思いました。

また、パネルディスカッションでは撤退基準の話が盛り上がりました。講演の中で、「新しい取り組みをする時には撤退基準を決めておき、その基準を下回ったらきちんと撤退することが大事」という話がありました。その話を踏まえ、パネルディスカッションでは、小野さんが自ら始め、ある程度軌道に乗っていたサービスを自らの手で撤退したエピソードが語られました。サービスを撤退するとなると、撤退した人の責任が問われることも多いようですが、そのようなネガティブな印象・評価が付かない、失敗を許容し、チャレンジしやすくなる評価制度への変革や文化の醸成が必要だというコメントが印象に残りました。

社員セッションもすべて詳しくご紹介したいところですが、NTT Comの開発者ブログということもありまして、NTT Com社員のセッションに絞って紹介します。

コミュニケーション&アプリケーションサービス部の宇田川拓郎さんからは「テキスト解析ソリューション開発におけるスクラムの実態」をテーマに発表がありました。COTOHA APIを活用したソリューションのプロトタイプをスクラムで開発する中で、スクラムを機能させるために様々な課題をどう乗り越えたか、というのが主なトピックでした。雑談部屋やSlack上での分報、Coffee Chatの取り組みも紹介があり、私の業務チームはスクラムチームではないものの、チームの関係性向上のためにも導入してみるのは良さそうだと感じました。

ヒューマンリソース部の三村正法さんからは「育成システムの価値を最大化しユーザーに届けるためのHR社員の挑戦」をテーマに発表がありました。社内での循環型の学び合い文化を目指した「みんなの学びシェア」施策を開発する中で、プロダクト組織ではないヒューマンリソース部でもプロダクトマネジメントを活用することができ、実践から得られた学びが主なトピックでした。社内で私もユーザーとして利用することがある施策ですが、それを実例にプロダクトマネジメントについて学ぶことができ、私も日々の仕事に取り入れてみたいと感じました。

私が運営に携わったきっかけ

ここからは、私が入社2年目で「dcc Engineer Day 23」の運営に携わった経緯や、運営の立場から得た学び・知見を紹介していきます。

まず、私が運営に携わったきっかけは、全社のエンジニア向けSlackワークスペースでふと見かけた岩瀬さん(@Iwashi86)のこの投稿でした。

この投稿があったのが8月上旬。 私はちょうど7月に今の部署に異動してきたこともあり、まだ部署の雰囲気に慣れていなかったり、上長との関係構築もまだまだだったりと、応募するにはかなり高いハードルが待ち受けていました。

しかし、以前から度々名前を目にしていた岩瀬さんや、NTT Comだけでなく、ドコモ・コムウェアのつよつよエンジニアの方々と接点を持って、もっと視野を広げたい!面白いことをしたい!という気持ちの方が強く、気がつけば上長に相談DMを送っていました。

配属直後のお願いにも関わらず、上長からはOKの返信をいただき、岩瀬さんにDM。岩瀬さんからも歓迎の返信をいただき、運営事務局にアサインされることになりました。

初回ミーティングから圧倒…いつもと違うメンバーでの仕事を経験してみて

9月ごろから事務局としての活動が始まりました。 事務局の活動は基本オンラインで、週に1回のミーティングがベースです。

初回はチームビルディングということで、miroを用いたアイスブレイク等を実施しました。 普段の業務ではmiroを使ったミーティングをすることがないのと、初対面の方がたくさんいらっしゃるので超緊張です。ましてや、NTT Comから参加の岩瀬さん、水嶋さん(@mizuman_)とも会ったことがないので何かやらかしたらどうしよ…と思っていました。

しかし、実際に始まってみると、たった1時間でアイスブレイクからイベントビジョンの骨子策定まで終わっていました。 普段の業務で参加している会議とはジャンルが違うので比較にはなりませんが、初対面の人同士で、かつオンラインでこんなスピードで物事が決まっていくのか、とただただ圧倒されました。

何回か週1回の定例を経たのち、10月ごろに細かな役割分担をしました。私は会場のメイン担当をすることになりました。会場担当で特に難しかったのは、どの会社でオンサイト会場を設けるか、という調整です。各社の広めの会場を教えてもらい、全体ミーティングで話し合いをするのですが、なかなか決まらない週が続きました。様々な観点がメンバーから毎週のように出てくるのに加え、自分自身も「2年目なので…」というやや受け身な姿勢が影響していました。

そこで一旦、受け身な姿勢をやめて、ビジョンを反映した「つながり」が会場で生まれやすいかどうか、現地・オンライン参加者の両方のUXが良くなるか、といった考えを念頭に、判断軸(オンライン配信設備の有無など)を立てることを提案しました。事務局の皆さんには受け入れていただき、そこから判断に必要な情報のみに絞って検討した結果、約1か月かけてオンサイト会場がNTT Com会場に決まりました。事務局では各メンバーが自担当に対して自律的に動く必要があったので、もう少し早い段階から積極的に動いてもよかったと反省しました。

年末年始のコロナウイルスの流行の影響を鑑み、オンサイト会場はパブリックビューイング会場としました。登壇者はリモート、あるいはNTT Com社内の会議室から発表してもらい、オンサイト会場は講演を見ながら参加者同士のコミュニケーションを取ってもらう場としました。一時はオンラインのみにするという話も出ましたが、一度ビジョンに立ち返ることで出てきた案であり、「New Normal」への第一歩を踏み出すことができたと思います。

当日、会場面では大きなトラブルもなく、来ていただいた方から「NTT Comの会場、いいですね」「来年もここでやりましょう」といった声をいただきました。ネットワーキングスペースの配置や、様々なレイアウトを試行錯誤するなどしたことで、会場自体の魅力+αの評価をいただけて嬉しかったです。また、今回、普段の業務と違うメンバーとイベントを作り上げることで、普段の仕事の進め方などを見直すきっかけにもなり、非常に収穫の多い経験となりました。

おわりに

今回は新卒2年目が所属部署を超えて、ドコモグループのエンジニアイベントの運営に携わった話を紹介しました。普段はソリューションに関わる業務をしていますが、発表はサービス・プロダクト開発の話が多く、ドコモグループ、ひいてはNTTはサービスの会社だなと改めて感じました。

ただ、サービス・ソリューションの両輪を持っている企業として、次回以降はソリューション側の話題も入って、両者のナレッジが交わるようなイベントにもなったらいいなと思うところです。(所属部署の定例でこのコメントを述べたところ、「来年は登壇者になったらいいじゃない!」と言われたのはここだけの話…笑)

今回の経験で視野が広がったので、日々の業務などを通して、エンジニアとしてパワーアップしていきたいと思います。

また、NTT Com社内では、今回のような本業を超えてナレッジを共有したり、社員同士のコラボを促すイベントを実施したりする雰囲気があり、その様子を少しでもこの記事を通して感じていただければ嬉しいです。

最後にお知らせですが、NTT Comは一緒に働く仲間を募集中です。詳しくは下のバナーから採用情報をご確認いただけると嬉しいです!


  1. dccとは、NTTドコモ(docomo)・NTTコミュニケーションズ(Communications)・NTTコムウェア(Comware)の3社の頭文字を取って、3社を表現する言葉です。一般的呼称というよりも、社内で表現する際に使う言葉です。
  2. NPSとは、Net Promoter Scoreの略で、顧客ロイヤルティを図る指標。(参考:NPS®とは(ネットプロモータースコア)顧客満足度に変わる新指標 - NPSソリューション | NTTコム オンライン)
  3. coffee chatとは、GitLab社の文化として根付いている、非同期コミュニケーションを円滑にするための雑談。(参考:GitLabで学んだ最高の働き方 Developers Summit 2022-02-18)
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