マネージャから見たSlack分報の価値

こんにちは、普段はSkyWayの開発・運用をしている岩瀬(@iwashi86)です。

先日、後から気づいたSlackでの分報がもたらすメリットを掲載したところ、SkyWayチームのマネージャおよびプロダクトオーナから、「別のメリットもあるよ」とコメントをもらいました。面白い観点だと個人的に感じましたので、本記事ではまず マネージャから見た分報の価値 について紹介いたします。

オフィスワークとリモートワークの情報量/仕事の理解度の逆転

昔からある従来の職場であれば、同じチームのメンバは一箇所に集まって仕事をするケースが多いかと思います(本記事ではこれをオフィスワークと呼びます)。マネージャは、集まっているメンバと会話し、仕事の進捗状況・困りごとなどをヒアリングして、必要であれば解決にあたります。職場によっては、定例の会議のようなイベントを設けて、情報共有をしているかもしれません。マネージャは、これらを通じて情報を集め、部下の仕事を理解します。

一方で、リモートワークが増えて、かつ分報が普及しはじめると、オフィスワークよりも情報が集まるケースもあります。言い換えると、「分報あり、リモートワーク」と「分報なし、オフィスワーク」だと、前者のほうが部下の仕事を理解できるという、逆転現象が起きます。分報における各メンバのチャネルには、常にタスク内容や、そのときの感情がアウトプットされているためです。

もちろん、分報はフロー的な情報が流れるので、仕事の理解度は浅いものになりがちですが、実際には対面での1on1なども併用すれば、仕事の理解度は非常に深まります。

マネージャのタイプにも依存するので、「分報あり、リモートワーク」と「分報なし、オフィスワーク」での理解度の逆転現象が一概に100%発生するとは言い切れませんが、マネージャ・チームのタイプによっては1つの観点としてあると思います。

執筆者個人の感想としては、マネージャがチームメンバに権限を委譲するタイプ、また自己組織化されたチームを作りたいタイプ、である場合に発生しやすいと考えています。

リモートワークの許可に伴う潜在的な恐怖心からの開放

マネージャには、「リモートワークを許可すると、社員が仕事をサボるのではないか?」という潜在的な恐怖心があります。分報を使うと、管理を強化することなく、その恐怖心を克服できます。

製造業の工場では、「作業場にいる = 仕事をしている」が成り立ちます。しかし、オフィスワークでは、「席に座っている = 仕事をしている」「パソコンを操作している = 仕事をしている」が必ずしも成り立ちません。やろうと思えば仕事をサボることができます。知的労働にある程度の息抜きや昼寝の時間は必要ですが、オフィスワークでは、息抜きが度を超えてもわからないことが多いです。

分報やプルリクエスト駆動開発を導入すると、メンバー間でお互いにアウトプットが丸見えになります。これが適度な緊張感を生み出します。息抜きが度を超すことは少なくなるでしょう。この効果は、オフィスワークとリモートワークに共通しています。だから、分報を導入するとマネージャは「社員が仕事をサボるのではないか?」という恐怖心から開放され、安心してリモートワークを許可できるようになるのです。

まとめ

本記事ではマネージャから見たリモートワークにおける分報の別のメリットについて紹介いたしました。次回の記事では、プロダクトオーナから見た価値について紹介いたします。

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