社員がやりたいスキルアップに取り組める仕組みを作ってみたお話

この記事は、NTT Communications Advent Calendar 2021 25日目の記事です。

はじめに

こんにちは、データプラットフォームサービス部(以下DPS部)白土です。 普段は企画部門で部内メンバーの業務支援やスキルアップ支援を行っています。

今回は、DPSとして行っているスキルアップ支援の具体的な取り組み内容を紹介します。(NTT Com全社施策ではなく部署独自の取り組みです。) ※Engineers' Blogに記載していますが、技術的な内容ではなく、Engineerのスキルアップ等に向けた社内の仕組みについて紹介です。

背景

これまで会社負担で業務に必要なスキルアップを目的とする研修への参加方法は、以下が主流でした。

  • ヒューマンリソース部や所属部署が主催する研修への参加
  • 自身で上長や予算管理部門へ交渉して決裁を取得した上で実施

しかし、新しい技術の取得や自律的な学びを促進する上で、以下のような課題が出てきました。

  • 社員
    • 忙しい中で、会社主催の長時間・日にち限定の研修に参加しづらい
    • 会社が提供する研修以外の技術・領域の学習が必要になっている
    • 個人で研修の申し込みは、事務処理が必要(で面倒)
  • 組織
    • 研修費用を抑えつつ、自律的な学びを促進したい
    • ネットワークからクラウド、IoT、まで幅広い学びの機会を提供するのは困難

こんな課題の中で、早い・安い・うまい、みたいな研修スキームを提供できないか と、と考えたのが今回の取り組みです。

取組内容① DPS学び放題

まず始めたのが課題部分で記述した社員の負担をできるだけ削減する事を目的とした「DPS学び放題」という取り組みです。

DPS学び放題とは?

Udemyなど、オンライン研修を基本に社員が自身のキャリアや業務に関連する研修コンテンツを自由に選択して受講できるスキーム。

社員の申し込みフロー

  1. オンライン研修(MOOC)を基本として、社員が受けたい研修を選んでくる
  2. 上長と相談し、スキルアップの方向性の合意・稼働時間の確保
  3. アンケートフォームに事前申請して申し込み完了(決裁不要)

またこの取り組みについてはもう1点狙いがあり、社員自身が担当領域において新たに必要となるスキルは何かを自発的に考え、継続的にスキルアップに取り組む事を期待して行っています。(代わりに、予算が青天井になってしまう恐怖を担当者は毎年味わっています笑)

導入効果

導入すると、実際に以下のような効果が出てきました。

  • 受講数の拡大
    • 【導入前】全社研修の受講率 17%
    • 【導入後】学び放題利用率 50%
  • 受講領域の拡大(データサイエンス・データ解析領域など)

オンライン研修を推進したことで、時間や場所に制限なく、また丸2日研修で仕事を留守にするようなこともなく、これまで受講したことがなかった社員も気軽に活用する事が可能になったのが大きかったです。

2人に1人受講しているけれど、予算的には大丈夫なの?と思うかもしれませんが、オンライン研修はコスパがとてもよいので広く呼び掛けることができました。

取組内容②ジョブ部活「デザインチーム」「データ活用部」

「DPS学び放題」については、社員からも好評で利用者も増えていたのですが、一方で オンライン研修中心のスキルアップが中心になると、課題解決の糸口がつかめない等の壁にあたってしまったときに気軽に相談する相手がいないという新たな課題も出てきました。オンサイトの勤務環境であれば、講師や同僚等と気軽にコミュニケーションをとって解決できていた場合も多かったと思います。しかしながら、NTT ComではCOVID-19以降は在宅勤務を推奨しており、DPSにおける在宅勤務率も90%前後をキープしている状況のため、従来の方法では対応が難しい状況でした。

そこで、組織として取得を推進している共通スキル「デザインシンキング」「データドリブン」に関するスキルを学び、共に高めあう事を目的に「デザインチーム」「データ活用部」という2つのジョブ部活を設立しました。(デザインチームは2019年度、データ活用部は2020年度設立)

活動メンバはDPS部内で公募された有志で、主な活動内容としては毎週の定例会、活動領域別チームにおけるノウハウや悩みの共有、半期毎の成果報告会等を実施しています。年度が進む度に参加メンバも拡大し、実業務における活用までつながってきています。活動が順調に進んできた背景として、デザインチームについてはKOEL、データ活用部はデータドリブンマネジメント推進部門(デジタル改革推進部)という社内CoE (Center of Excellence) 組織にサポートいただいたため、よりアクティブな活動につながりました。

こういった活動のメリットとして、お互いのスキルやノウハウを共有するという当初の目的がある事はもちろんなのですが、これまで業務において関わりがなかった社員間での横のつながりが発生する事も非常に大きいです。本Engineers' Blog過去記事の「社内データ分析コンペティション」も、そういったつながりから生まれた企画のひとつです。

また、研修という領域を一歩超えて、デザインやデータサイエンスの領域を学びながら業務に取り入れていくこと、業務の課題をこの部活動に持ち込み、解決に向けて活動することがこの部活動の大きなメリットやモチベーションになっています。

先述したように、COVID-19以降、NTT Comはリモートワークを主体としている中で、既存メンバはもちろん、新入社員や新規採用メンバは新たなコミュニケーションのきっかけが不足している状態でした。

そういった社員間の新しい繋がりを推進している事も実施して良かった点となっています。

最後に

これまでDPS内のスキルアップ支援取り組みについて語ってきましたが、本取組において最も重要なのは仕組みや制度を作る事だけではなく、課題認識や目標等といった共通の価値観を関係者の中で持っておくことが大事だと考えています。

この制度を使って、どういう姿を、なぜ目指してほしいのかその部分を事前に関係者/活動の参加者にも伝えていく事で、取り組み自体の質が上がっていくと考えています。

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