【IoT Connect Gateway】コンフィグマネージャーのご紹介

はじめまして、5G&IoTプラットフォーム部で、IoT Connect Gatewayの機能開発を担当している角田です。本日は、9月初旬に追加されたIoT Connect Gatewayの機能についてご紹介します。

追加された機能は、AWS S3互換のオブジェクトストレージへのデータ転送機能と、IoTデバイスのコンフィグ生成・更新を支援するコンフィグマネージャーです。本記事では、これらの2つの新機能のうち、コンフィグマネージャーの概要をご紹介します。


コンフィグマネージャーの背景


日頃IoTデバイスを扱っていて、IoTデバイスの設定ファイルの生成と更新が面倒だと感じたことがありませんか?

例えば、学習や業務のパフォーマンスを維持・向上するために、居室内の温湿度・気圧・二酸化炭素の濃度を把握し、定期的に空気環境を調整したいなどのケースです。

居室内でも様々な場所にIoTデバイスを設置する必要があったり、階数や拠点が分かれていれば、(どこまでやるか次第ですが)その分だけIoTデバイスを設置する必要があるかと思います。そして、IoTデバイスの数が数百、数千個と増えていけばいくほど、IoTデバイスごとの設定ファイルの生成も大変になります。設定ファイルの生成だけではなく、更新も同じように大変になりそうです。

IoTデバイスが数個であれば、IoTデバイスの設定ファイルの生成と更新の大変さを感じることは少ないかもしれませんが、数百、数千個のIoTデバイスの設定ファイルを1つずつ生成・更新する作業は相当大変ですよね。 これは居室環境の把握に限らず、農業や製造業などの規模が大きいシチュエーションであれば、いずれ直面する課題になると考えています。

コンフィグマネージャーは、そういったシチュエーションで直面するかもしれない、IoTデバイスの設定ファイルの生成と更新の大変さを削減できる便利機能になっています!


コンフィグマネージャーとは


IoTデバイスが利用する設定ファイルの生成と遠隔での更新を一気通貫でできる機能です。

IoTデバイスが利用する設定ファイルのテンプレートやそれに埋め込むパラメータを事前に用意しておくことで、IoTデバイス毎の設定を一気に生成できます。 IoTデバイス毎に個々の設定を用意する必要がないため、大量のIoTデバイスを扱う場合でも、比較的少ない記述量で、IoTデバイス毎の設定ファイルを生成できるというメリットがあります。

設定ファイルの生成後に、コンフィグマネージャーが提供する配信用エントリポイントに接続することでIoTデバイスは設定ファイルを取得できます。同じエントリポイントであっても、IoTデバイスに応じて異なる設定ファイルが提供される仕組みになっています。 遠隔からIoTデバイスに対して設定ファイルを配信できるので、現場に担当者が赴いて、IoTデバイス毎に設定ファイルを地道に配信するような手間を削減できるようになります。*1

生成された設定の更新時刻を取得するためのエントリポイントも用意されているので、IoTデバイス側の実装次第では、設定ファイルが更新された場合のみ、新たな設定ファイルを取得するという仕組みも実現できます。

詳細情報については、下記の機能概要をご参照ください。


コンフィグマネージャーの始め方


コンフィグマネージャーは、以下のステップで使い始めることができます。

  1. IoT Connect Mobile Type SのeSIMの調達・開通
    • 開通時にIoT Connect Gatewayを有効化
  2. コンフィグ生成の設定
  3. テンプレート・共通パラメータ・デバイスグループの作成
  4. プロファイルの作成とコンフィグ生成
  5. コンフィグ配信の設定
    • 配信ポリシの作成

IoT Conenct Mobile Type SのeSIMの調達・開通を除き、コンフィグマネージャー自体の利用ステップは、 大きく分けてコンフィグ生成の設定コンフィグ配信の設定の2ステップです。 これらの2ステップを実施するだけで、IoTデバイスから設定ファイルを取得できるようになります。 ポータル上からテンプレートや共通パラメータなどを編集できる機能があったり、テンプレートや共通パラメータのお気に入りの組み合わせを登録できるプロファイルセット、もしくは設定ファイルのチェック機能などの便利機能も備えているのでぜひ活用してみてください!

詳細手順については、下記のチュートリアルをご参照ください。


終わりに


コンフィグマネージャーは、大量のIoTデバイスを扱う上で課題になる「IoTデバイスの設定ファイルの生成と更新の大変さ」を削減できる機能です。IoTデバイスのキッティング時の初期設定ファイルをコンフィグマネージャーから配布したり、IoTデバイスの稼働中に設定ファイルを更新したいケースなど、様々なケースに対応させることができます。

IoTデバイス側の実装次第では、プロトコル変換機能やクラウドアダプター機能などの他機能と連携させることで、マルチクラウド対応かつゼロタッチプロビジョニング可能な環境を構築することもできます。コンフィグマネージャーをぜひ活用してみてください。


過去連載の紹介


 IoT Connect Gatewayは、今日までにプロトコル変換機能に加えて、スタンダード、イベント、またはファンクションなどの様々なクラウドアダプター機能を提供しています。 IoT Connect Gateway が提供する一部の機能や取り組みは、以下の過去連載で紹介されているのでご参照ください。

*1:配信用エントリポイントから設定ファイルを取得するHTTPクライアントはIoTデバイス側で別途実装する必要があります

© NTT Communications Corporation All Rights Reserved.