REST APIを構築するのに使えるフレームワークまとめ

最近出ているWebアプリケーションフレームワークの多くはREST APIを構築するための機能が含まれています。今後新規に開発するシステムはなるべくそういったフレームワークを使っていくのが良いでしょう。

しかし社内標準の中で利用できるフレームワークが決まっていたり、すでにあるシステムに対してREST APIを実装する場合は導入が困難な場合があります。そこで今回はREST APIを構築するのに特化したフレームワークを紹介します。

これらを使うことで既存システムには手を加えずにREST API化したり、高速なAPI開発が可能になるでしょう。

Java

RESTX : 軽量なフレームワークであることに加えて、REST APIドキュメントの生成、YAML形式でのテストファイル作成に対応、管理画面、モニタリングUI、Beansグラフ、MongoDB対応などが特長となっています。

Jersey : JavaにおけるRESTfulなWebサービス実装を定義する仕様がJSR 311ですが、そのリファレンス実装がJerseyになります。サーバ、クライアントそしてSpringやGuice、Apache Abderaと組み合わせて使えるライブラリが用意されています。

Restlet : RestletもREST型アプリケーションを構築するフレームワークで、クライアントとサーバがあります。Java SE/EE、Google App Engine/OSGi/GWT/Androidなど多くの環境で動作します。

PHP

Tonic : PHPのクラス名、メソッド名の上にコメント形式でURLのルーティングを定義します。コードとAPIアクセスするURLとが密な結合になるので構成がシンプルになりそうです。

PSX : RAMLと呼ばれるフォーマットを使ってAPIを定義します。レスポンスはJSON/XML/Atom/SOAP/JSONXといったフォーマットに対応しています。テストやドキュメントの仕組みも用意されています。

Bullet PHP Micro-Framework : とてもシンプルなフレームワークで、柔軟なルーティングシステムとDRYの原則が用いられています。レスポンスはJSON/XML/HTMLに対応しています。

Recess PHP Framework : 完全にREST API特化型という訳ではありませんが、システム全体がRESTful PHPフレームワークとなっており、APIを作るのも簡単となっています。

frapi : 公式サイトには5分で作るRESTful APIという動画が公開されています。Web管理画面を使ってAPIが作れるのが分かりやすいです。

Python

Eve : 殆ど開発不要でREST APIが構築できます。必要な場合はJSON Schemaを使ってデータの定義を行います。運用よりも開発時向けかも知れません。

Tastypie : Djangoと組み合わせて使うREST APIです。HTTPメソッドはすべて(GET/POST/PUT/DELETE/PATCH)サポートしています。入出力に使うフォーマットも多彩で、JSON/XML/YAML/bplistを提供しています。

その他

Grape(Ruby) : RailsやRackアプリケーションに組み込んで使えるREST APIフレームワークです。簡単に使えるようになっているので学習コストも低いのが利点です。

Raisin : ごく小さなREST APIを作るのに向いています。Plack上で動作するのを想定しており、簡単なDSLを使ってRESTful APIを開発できます。RubyのGrapeにインスパイアされています。

LoopBack(Node.js) : LoopBackはREST APIを素早く開発できるフレームワークで、さらにAPIゲートウェイとしての機能も備わっています。Android/iOS/AngularJSといった環境へのSDKも提供されています。

spray(Scala) : sprayも専用のDSLを使うことで簡単にREST APIが構築できるようになっています。さらにサーブレット3.0コンテナーをサポートしていることでシステムとの連携も容易になりそうです。

RESTier(.NET) : OData v4ベースのRESTサービスを.NET上に提供できるフレームワークです。企業内利用であったり、既存の.NETシステムに組み合わせるのに良さそうです。

Taffy(ColdFusion) : Taffyはちょっと珍しい、ColdFusionで作られたシステム向けのREST APIフレームワークです。これまでFlash/Flexと連携していたシステムがREST APIを公開する際に使えそうです。

Phoenix(Erlang) : PhoenixはAPIをバックエンドとしたHTML5アプリケーションを作るのに向いたフレームワークとなっています。CLIツールを通してREST APIが構築できます。


フレームワークには向き不向きがあります。そのため既存システムに手を加えてREST APIを追加するよりも、専門のフレームワークを使った方が強固で柔軟なAPI設計が可能になるのではないでしょうか。

特に既存システムに手を加える怖さはエンジニアであれば誰しもが知るところでしょう。不具合を誘発しないためにもAPIだけ切り出すのは良い選択ではないでしょうか。

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