文系新卒エンジニアだった私がNTT Comで走り抜けた3年半を総括する

NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com) イノベーションセンター(以下、IC)の加藤(@katomasa23)です。

個人的にちょうど良いタイミングということもあり、新卒でエンジニアを始めて約3年半を振り返り、考えたことをまとめたいと思います。タイトル的に退職エントリみたいですが、退職しません、というお断りだけ最初に入れておきます。

自己紹介

私のキャリアの話を書いていくので、最初に背景情報として自己紹介させてください。

  • 2021年4月にNTT Comに新卒入社
  • 大学は文系学部(商学部)出身
  • 現在のメイン業務はローカル5GやWi-Fiなど各種無線技術を用いたユースケースの開拓

この記事が、文系・新卒でエンジニアというキャリアを考えている就活生や、NTT Com含め、IT系企業に就職が決まり、希望部署や職種に悩んでいる方の参考になれば幸いです。

文系出身でなぜエンジニアへ?

理由を書くだけで1つの記事として完結できそうなテーマではありますが、なるべく簡単に振り返ってみます。

NTT Comインターンシップへの参加

私は就職活動の頃、幅広い業界(IT・通信・金融・商社・マスコミ)を見ていました。その中でNTT Comに関心を持ったのは、経理の専門職エントリーができるからでした。先述した通り、私は商学部出身で、簿記2級も取得していたことから、経理の仕事に興味がありました。そこでNTT Comのインターンシップに第1希望経理・第2希望営業で応募しました。

インターンシップでは第1希望の経理ではなく、第2希望の営業の仕事を経験しました。そこではICTでお客さまの可能性を引き出せるのではないか?というやりがいに惹かれ、非常にワクワクしたのを覚えています。 また、インターンシップ中にIOWN構想についても聞き、「日本からゲームチェンジを起こしたい!」という思いを持って本選考への応募を決意しました。

入社までの想い

採用が決まり、2月の内定者面談で初期配属の希望を聞かれました。当時は、IOWNを広める、という思いに一番近そうなのはマーケティングかなと思っていました。ただ、マーケティングをやる前に技術的な凄さやアピールポイントを自分なりに腹落ちさせておきたいという考えもあり、まずはエンジニアとして経験を積みたいと希望を出しました。

また、NTT Comのお客さまは主に法人で、情報システム部など、お客さまの担当者もエンジニアである場合が多いのをインターンシップで知っていました。そのため、将来的に営業をすることになってもエンジニアとしての共通言語を学んでおきたかったという思いもありました。

そして、入社後の初期配属はソリューションサービス部(以下、SS部)で、エンジニアとしての配属が決まりました。

文系・未経験だけれど…

私自身、ITに全く関心がなかったわけではありません。小学校低学年の頃から、帰宅したらPCにずっと張り付いてラジオを聴きながらWikipediaを徘徊するような生活をしていました。小学校高学年ぐらいになると、動画共有サイトが盛り上がってきて、友人と一緒に動画制作をしたり、Podcastを配信したりしていました。また、大学ではR言語を使ったデータ分析も経験しており、文系とはいえ免疫(?)はあった方だと思います。

NTT Com(現在、新卒はドコモグループとして採用し、入社は全員NTTドコモ)は新入社員研修で手厚いICT研修を受けられます。また、私の初期配属部署のSS部では、ネットワークからクラウド、アジャイル開発などの研修を受けました。研修期間中は同期内で自主的に研修テキストの輪読会を実施するなど、結構楽しかったことを覚えています。

SS部での研修後は、ICに10ヶ月間のOJTとして派遣されました。ここで、いいチーム・トレーナーとの出会いがありました。私の能力を上手く見定めて、「この資格はどう?」といった感じでスキルアップするヒントを貰っていました。そのサポートや、社内の資格取得制度も相まって、この3年半で10数個の資格を取りました。(実証実験で1週間出張した週末に応用情報技術者試験を受けたのは今でもいい思い出です。笑)

経験した業務

3年半の間で、私は2つの部署を経験しました。通常はあまりないケースですが、SS部(入社研修)→IC(OJT)→SS部→ICという異動でした。経験した業務の一部を列挙すると、以下のようなものがあります。

  • 他社の協力を得て実施したローカル5Gの実証実験
  • 全国各地でのモバイル計測
  • 自社商材(Arcstar Universal One, Flexible InterConnect)を利用した閉域網からクラウドにアクセス可能な検証網の構築
  • 商用案件の運用自動化開発
  • グループ内コミュニティイベント(dcc Engineer Day)の運営
  • 社内向け技術広報ページの作成


「全国各地でのモバイル計測」時の写真。画面の反射を抑えるために日傘を使い、不審者味が増した。

見えてきた景色

この3年半、エンジニアとしてキャリアを進める中で悩んだこと、思ったこと、そして次へのアクションを書いていきます。

思い描いていたエンジニア像

皆さんが思い描くエンジニアはどういった人でしょうか?
私はコードをカリカリ書いて、土日は個人開発やハッカソンに勤しむ、そんな人物像を描いていました。

そんな人物像と裏腹に、3年経っても、そうなれていない自分について悩んだ日々もあります。アプリよりも、インフラ寄りの技術を扱う部署だったのもあるかもしれません。また、仕事とは別にやりたいことも多く、土日に個人開発やハッカソンへの参加をしたことはありません。4年目になった今でも、同じ会社のエンジニアの皆さんに限らず、他社のTechBlogで拝見するエンジニアの皆さんの背中は大きく見えます。

では自分はダメなのか?

もちろん、エンジニアとしてのキャリアを積み、「スーパーエンジニア」を目指すのはアリだと思います。自分もスーパーエンジニアを目指すんだ!と思い込んだ時期もありましたが、一旦初心に返ってみました。すると、将来はサービス企画やマーケティング、営業といった仕事もしたいという希望を思い出しました。また、自分の性格的に、スペシャリスト型よりもジェネラリスト型のキャリアを望んでいる節もありました。

そこで、まずは元々興味があった情報発信や広報活動に、今の業務から関われないかと考えました。2年目の夏頃から、社内報で自らの部署のアピールをしたり、たまたま見かけたグループ内のエンジニアイベントの運営に手を挙げてみたりしました。環境にも恵まれ、結果として、チーム内外の色々な方々からこの動きを評価していただきました。

「エンジニア×◯◯」という発想

このように色々と動く中で、自分なりのエンジニア像を言語化できるようになってきました。それは、エンジニアとしての技術理解を、情報発信や広報活動という自らの興味関心と組み合わせるというものでした。つまり、エンジニアとして技術の成果物を出すだけでなく、自分の得意分野や興味関心と組み合わせて、「エンジニア×何か」という複数の軸を持つという考え方です。

自分の中でこの方向性をイメージし始めてからは、何をすべきか?という迷いが減ってきました。今年は、今携わっている無線技術の社内向け広報ページをPJメンバーと共に作成する営みを通して、このエンジニア像に一歩近づくことができました。

別のことにトライしてみる

エンジニアとして進んできた約3年半。
「新しいことを学んで身につけていくゲーム感覚」や、「未経験のことをする中で自分の強みを認識して生きる術を見つけること」、「目標を持って進むことの大切さ」など、ここでは書ききれないほどの学びを得ながら、エキサイティングな日々を送ってきました。

そんな中、「日本からゲームチェンジをしたい!」という入社当時の初心を思い返し、技術開発から、実際のお客さまにより近い立場での仕事に挑戦したいと思うようになりました。年明けの1月からはドコモグループ内で異動し、エンジニアとしての技術知識を活かしながら、ドコモのベニュービジネス1に携わる仕事をする予定です。

まとめ

写真やイラストがほとんどない記事でしたが、最後までお読みいただきありがとうございました!異動先でも何か発信するかもしれないので、見つけたら「あ、あの時の」と思い出していただけると幸いです。


  1. スタジアムやアリーナ全体の運営ビジネスのこと。詳しくはリンク先を参照。 https://information.nttdocomo-fresh.jp/career/smart_life/service_list/venue/
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