Parse.com終了に見るAPIのリスクとは

Parse.comというスマートフォンアプリのサーバサイドを提供するサービスが突如としてサービス終了のアナウンスをしました。1年間の猶予があるとは言え、信頼して使ってきた開発者にとっては寝耳に水の出来事となっています。

Parse.comはFacebookに買収されたサービスであり、買収後も継続してサービスを運営してきました。それだけに突然の終了アナウンスはParse.comはもちろん、Facebookへの信頼についても揺らぎかねないものでした。

今回はそんなAPIを使う上での最大のリスクとも言える、提供企業側のサービス運営方針変更に伴うリスクについて紹介します。

サービス終了がありえる

当たり前ではあるのですが、永続的に存在しうるサービスはありません。お気に入りだったWebメディアであったり、ECサイトが閉鎖された経験は誰もがあるでしょう。これらは多くの場合、代替サービスが存在します。

APIの場合、サービス提供側がベンダーロックしているケースが多くあります。その結果としてサービス方針の変更が大きな影響を及ぼすことになります。

サービス終了に限らないリスク

サービス終了は最も大きなインパクトがあるかも知れません。しかしそれ以外にもリスクはあります。価格変更(無料で使えていたサービスが有料化したり、価格があがるなど)、サービスメンテナンスや緊急停止などもあります。そのため、サービスを使い続けるとともに、常に代替や自分たちで同等のシステムを構築する方法について模索しておく必要があるでしょう。

信頼できるベンダーの選択

ここでいう信頼性とは、企業が巨大であれば良いわけではありません。大企業にとってはAPIサービスはごくごく小さな事業規模であることも多く、その結果として収益が見込めないと分かるとすぐに精算してしまう可能性があります。

また、収益化されていない、またはする気が見えないサービスも要注意です。APIのアップデート、発信力、コミュニティなどを統合的に鑑みた上で、ベンダーがAPIの提供に本気であるかどうかを判断する必要があります。

リスクヘッジの方法について

APIが突然終わることのないよう、常にリスクヘッジを考える必要があります。例えば、

  • 代替サービスの選定
  • 自社開発への移行
  • 契約上の縛り
  • サービスの買収

などがあるでしょう。提供を終了しているサービスは他社への売却を検討している可能性があります。そのため、サービスを買い取ることでリスクをなくすこともできるでしょう。


APIは内部がブラックボックスになっています。それはプログラムもそうですが、運営企業についても外からでは分からないことがたくさんあります。そのため、開発者界隈で積極的に情報を交換したり、市場の推移を見てリスクヘッジを常に考えておくのが良いでしょう。

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