TechWorkshop「NTTコムのセキュリティ業務紹介&サイバー攻撃対応ワークショップ」を開催しました!

はじめまして。プラットフォームサービス本部セキュリティサービス部門の大倉です。普段はインシデントレスポンスチームに所属し、お客様で発生したセキュリティインシデントの調査を業務として行っています。

今回、2021年12月4日(土)に開催された TechWorkshop「NTTコムのセキュリティ業務紹介&サイバー攻撃対応ワークショップ」の内容について紹介します。

TechWorkshopについて

各技術分野のプロフェッショナル社員がお届けする、当社の最先端技術を体感し、また身に付けることができるワークショップ形式のプログラムです。

――イベント紹介(採用情報)より抜粋

過去にはこのようなワークショップを開催しました。

  • コーディング体験
  • ISPネットワーク構築・運用体験
  • Kubernetesハンズオン
  • CI/CDハンズオン

いくつかのTechworkshopイベントは、当日の様子をブログとして公開しています。ご興味がある方はこちらのブログ記事もご覧ください。

どのワークショップも各分野を主な業務にしている/業務に使っている社員が講師となり、かつ自分たちでイベントの企画・運営をしています。今後もいくつか開催予定ですので、興味のある方はTechWorkshopのページをチェックしていただき(NTT Com公式Twitter でもご案内します。)、ぜひ参加申込をお願いします。

「NTTコムのセキュリティ業務紹介&サイバー攻撃対応ワークショップ」とは?

当日の大まかなスケジュールは以下となっていました。午前は業務紹介がメインとなっており、午後から演習を行いました。

  • 午前
    1. 会社紹介
      • NTTグループとは?
      • NTTコミュニケーションズってどんな会社?
      • NTTコミュニケーションズ×セキュリティ
    2. セキュリティ関連部署の業務紹介
      • NTTコミュニケーションズ内の各セキュリティ部署(CSIRT、研究開発など)の業務
      • NTTセキュリティ・ジャパンの業務
      • エヌ・エフ・ラボラトリーズの業務
  • 午後
    1. 演習
      • 問題説明、演習環境へアクセスする方法の説明
      • 演習開始
        • 各チームに分かれて攻撃の解析
        • 発見した攻撃に応じて、サーバの設定変更・脆弱性の修正
    2. 発見した攻撃内容の発表・答え合わせ
      • 実際に行われた攻撃を解説
      • 各チーム毎に発見した攻撃を発表
    3. 懇親会

午前の部 : 会社紹介 & セキュリティ関連部署の業務紹介

ワークショップの午前は、NTTコミュニケーションズの会社説明、および、各セキュリティ部門の社員から実際の業務内容の紹介しました。当日は、NTTコミュニケーションズ所属の社員だけでなく、NTTセキュリティ・ジャパンやエヌ・エフ・ラボラトリーズの社員も参加していたため、多様なセキュリティ業務を紹介できました。それぞれの業務ごとに異なる魅力がありますが、入社したあとどのような仕事があるのか、参加者の皆さんもイメージしやすくなったことと思います。

f:id:NTTCom:20220124162828p:plain

午後の部 : サイバー攻撃対応ワークショップ

演習概要

本演習の目的は、「セキュリティエンジニアの仕事を体験する」ことです。インシデントレスポンスの流れを基に、以下を経験してもらいます。

  • システム環境に対するサイバー攻撃を検知したり、対処したりしてもらい、セキュリティオペレーション業務を体験する。
  • システム環境に存在する脆弱性の発見・修正をすることで脆弱性診断、ペネトレーションテスト業務の一部を体験する。

f:id:NTTCom:20220124162838p:plain

本演習は、グループ会社のエヌ・エフ・ラボラトリーズより提供いただいたコンテンツを利用しています。 まず、演習のはじめにルールや見るべきログなどを説明しました。その後、演習環境へのアクセス方法や接続確認を行いました。

演習では参加者4名ほどでグループを作り、クラウド(AWS)上に構築された演習環境へアクセスしてもらいます。演習環境では、Webサイトがホストされているサーバが存在しており、そのサーバに対してインターネットを想定したネットワークから様々な通信が行われています。参加者の皆さんにはWebサイトの可用性を維持しつつ、時間内に行われる多くの攻撃を防いでもらいました。

f:id:NTTCom:20220124162847p:plain

本イベントでは、現在のシステム状況を把握しやすいように、スコアを別途表示していました。今回はコンテストではないため、順位を争うものではありませんでしたが、自分たちの設定が想定どおりに反映されているかどうかの判断に使ってもらいました。参加者は、行った対処が正しい方向であればより高得点が得られ、一方、アクセス断等誤った対処をした場合加点されない、といったフィードバックを得られました。

f:id:NTTCom:20220124162855p:plain

演習中の様子

演習の詳細は、本Workshopを再度開催する予定であるため書くことはできないのですが、サーバに記録されていく多種多様なログ(認証ログや動作しているサービスのアクセスログ、FTPログ、IDSのアラートログ等)を解析し、どのような攻撃がきているのかを確認してもらいます。さらに、稼働しているサービスに脆弱性が存在しているため、ソースコードを読むことも求められます。普段見たことがないログや扱ったことのない言語に戸惑う人が多かったようですが、自分たちでログの仕様や言語を確認してもらいました。

攻撃の痕跡や脆弱性を発見した後は、その対応策の実施が必要になります。設定の変更やソースコードの変更などをしてもらうことになりますが、思い切った変更をするチームが多かった印象です。そのため、変更内容によっては予期しないサービス停止、アクセス断が発生する場合もあります。当日も演習中にSSHの設定を変更しサーバに接続できなくなりそうなトラブルや、バックアップをとっていなかったためソースコードを改変した後、元に戻せなかったチーム等がありました。実際に運用する際に注意深く対応しないと、二次被害が発生するという良い教訓になったことでしょう。なお、設定ミス等によりサーバにログインできなくなるなど、どうしようもないお手上げ状態になってしまった場合は、対象サーバの状態をリセットする救済措置も行いました。

その他、参加者の様子を見守っていましたが、チームで通話を繋ぎっぱなしにして細かくタスクを確認するチームがいる一方で、細かく相談はせずに見つけた攻撃を淡々と共有するチームもあり、各チームそれぞれ特色が見られ面白かったです。また、チーム内で教え合いや議論が行われている場面もありました。

攻撃の解説・発見した攻撃内容の発表

演習の終了後には攻撃内容の解説をしました。参加者の中には、見逃してしまった痕跡や攻撃を知り、感心や悔しがる様子が見受けられ、準備したかいがありました。

その後、各チーム毎に発見した攻撃を発表してもらいました。ログやコマンド結果に対して詳細に注釈を入れて示すチームや、自分たちが見つけた脆弱性とその対応状況を表に分かりやすくまとめるチームなど、短時間で伝わりやすいスライドを作成しており驚きました。

なお、我々が用意していた攻撃すべてを発見・対応したチームは残念ながら存在しませんでした。演習の時間が3時間程度となっており、攻撃の種類も存分に楽しんでもらえるように盛り盛りにしていたため、難しかったと思います。すべての攻撃を発見するには、個人の技術力も重要ですが、チーム力も必要です。実際のインシデント対応では、関係各所との調整やタスクの割り振りなども必要になります。チームで行っていることを最大限活かして力を発揮しなければいけないことを実感いただけたことでしょう。

参加者の声

Workshop後に参加者の方からいただいたアンケートでは、多くの方に「大変良かった」「いろいろ学ぶことができた」などのコメントを多くいただき、とても嬉しく思いました。以下はコメントの一部抜粋になります。

  • 攻撃を特定するためにどのログを見なければならないのかを学ぶことができた。
  • ログの解析だけでなく、実際に手を動かしてその対策を自分たちで実施するという流れで大変勉強になった。
  • チームで作業をするというのが最近なかったので、メンバと話し合いながら作業をするのが楽しかった。

さらにイベントの内容だけでなく、質問対応などから職場や社員の雰囲気を感じ取ることができた方も多かったようで、ポジティブなコメントをいただきました。オンラインのイベントだったため、コミュニケーション不足などこちらにも至らない点が多かったと思いますが、参加者の皆さん、ありがとうございました。

おわりに

この記事では、2021年12月4日(土)に開催された TechWorkshop「NTT Comのセキュリティ業務紹介&サイバー攻撃対応ワークショップ」について紹介しました。昨年も似た内容でイベントを企画しましたが、今年はさらに多くの方に参加していただきました。こういった攻撃対応を経験することは少ないかと思いますので、業務をイメージできる良い機会になったのではないでしょうか。 我々社員としても、NTT Comならびにセキュリティ業界に興味を持っていただけたなら幸いです。

ちなみに同じ内容のイベントを2022年2月19日(土)に開催予定です。応募締め切りは、2022年2月4日(金)23:59までとなっておりますので、この記事を読んで興味を持った方はぜひご応募ください!

© NTT Communications Corporation All Rights Reserved.